特集2 COVID-19とサルコペニア・フレイル:ウィズ・アフターコロナの時代を見据えて
3.COVID-19の現状と医療的対応,ウィズコロナのフレイル対策
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 47-54, 2021
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数,死者数は世界,日本ともに急増している。その特徴は,感染力はそれほど強くないこと,発症前が感染力のピーク,飛沫感染が主で三密にて感染が成立,約30%は無症状,発症後も約80%は軽症,高齢なほど重症化率は高いである。発症前に他者への感染力が最大となり,標準的な感染予防策が必須である。
高齢者では,過度な自粛や外出抑制によるフレイルの進行や生活習慣病の悪化も多い。日常生活・社会活動を健全に営むため,マスク着用,三密状態の回避,確実で頻回の手洗い,換気・消毒などを行いつつ,不適切な個人的対応や行動にならないことが重要だ。具体的な取り組みとして,高齢者・家族へ正しい知識の啓発,工夫をしながら地域活動の再開,新たなコミュニケーションツールの導入,新たなサービス提供体制,画一的でないリスク別の感染予防がある。
感染症対応に柔軟性と継続性をもった強靭な社会の構築と,ヘルスリテラシーを有する国民の増加を目指し,各学会と各医療関係団体の活動・協働はきわめて重要である。
「KEY WORDS」COVID-19感染状況,COVID-19感染形態,かかりつけ医対応の目安,フレイル対策,リスク別感染予防
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。