特集1 骨粗鬆症とサルコペニア・フレイル,その異同
3.若年者における骨粗鬆症とサルコペニア
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 16-21, 2021
サルコペニアと骨粗鬆症は,主として,高齢者で罹患率が増大する疾患である。ただし,いずれもその発症が若年期の骨格筋量や骨密度に関係している。本稿では,主に,日本人を対象としたこれまでの知見に基づいて,若年期のサルコペニアと骨粗鬆症について解説した。骨密度は,若年期に迎える最大骨量を高めることがその後の加齢に伴う骨量低下による骨粗鬆症のリスクの軽減に有効である。低筋量・低骨量に該当する女性が存在する。運動習慣は,少年期から青年期の運動習慣が最大骨量の確保に貢献し,青年期から壮年期の運動習慣が筋量と筋力の確保に貢献する。2020年に改定された食事摂取基準は,筋量の確保にも焦点が置かれている。若年女性における痩せ願望・低体重への対策が必要である。若年期の身体組成と高齢期のサルコペニアと骨粗鬆症の直接的な関係を示すエビデンスが期待される。
「KEY WORDS」運動,スポーツ,痩身願望,低体重,低栄養
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。