特集1 骨粗鬆症とサルコペニア・フレイル,その異同
1.オステオサルコペニア
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 6-10, 2021
オステオサルコペニアは,骨粗鬆症とサルコペニアの合併の状態とされているが,有病率を含め疾患の実態は何もわかっていない。筆者らは,大規模住民コホートROAD studyの第2回調査結果を用いて,オステオサルコペニアおよびフレイルの有病率を明らかにした。さらに4年間の追跡調査の結果を用いて,骨粗鬆症,サルコペニア,フレイルの発生率を明らかにし,3疾患それぞれの発生に対する相互関係を検討した。現在骨粗鬆症であることは,サルコペニアとフレイルの発生に対する危険因子であることが示唆された。骨粗鬆症の治療は,骨粗鬆症に対してのみならず,将来的なサルコペニアのリスクを減少させる,すなわち,オステオサルコペニアの発生を減少させる可能性がある。また,現在オステオサルコペニアである方は,サルコペニアのみ,骨粗鬆症のみの方よりもフレイルへと移行するリスクがきわめて高いことが明らかとなった。
「KEY WORDS」オステオサルコペニア,骨粗鬆症,サルコペニア,フレイル,コホート
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