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特集 サルコペニア肥満

7.高齢者における骨格筋の量および質の変化と疾患リスク

田村好史染谷由希筧佐織加賀英義

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.4 No.1, 39-44, 2020

近年,わが国では超高齢化社会となり,代謝血管疾患に対する加療のパラダイムシフトが起きつつある。例えば,メタボリックシンドロームに対する介入は主に食事・運動療法(主に有酸素運動)による体重減少が指標となり,高齢者においては,フレイルやサルコペニア予防のため蛋白摂取や筋肉量・筋力を増やすレジスタンス運動が勧められる。したがって,メタボリックシンドロームや代謝血管障害に対する食事・運動指導と,高齢者になってからの食事・運動指導は相反する部分もあり,いつからどのような指導をしていくかを個別に決めていく必要があると考えられる。この点に関して,骨格筋の質(インスリン抵抗性)や量に着目したリスク判定や介入が,今後必要になってくることが予想される。本総説では,骨格筋の量と質の面からみた代謝血管障害およびフレイルサルコペニアやサルコペニア肥満を論じた。
「KEY WORDS」サルコペニア,異所性脂肪,インスリン抵抗性,サルコペニア肥満,運動

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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