特集 サルコペニア肥満
6.サルコペニア肥満の部位別加齢変化および肥満者の特徴
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.4 No.1, 34-38, 2020
加齢による骨格筋量の低下の特徴としては,およそ40歳前後から減少すること,および加齢低下の部位に違いがみられること,などがあげられる。これまで,体組成を評価するための測定機器としてはMRI法がゴールドスタンダードとして用いられてきている。しかし,MRI法は,高価なうえに医療現場においては使用頻度も高く,骨格筋量を定量するとなると高い解析技術も求められる。Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)では,骨格筋量の定量法として,DXA法や,より簡易なBIA法が用いられている1)。一方,超音波法による筋組織厚の測定は,安全で計測時間も短く,部位別の骨格筋サイズの特徴もつかむことができる。肥満者においては自身の体重から一般人と比較して,骨格筋量の加齢による低下が比較的保たれる可能性も考えられるが,部位別の加齢低下についての先行研究はきわめて少ない。本項では,このような体組成の測定機器の長所および短所について説明するとともに,肥満者の部位別加齢変化の特徴について解説する。
「KEY WORDS」肥満者,骨格筋量,加齢,部位,超音波法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。