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特集 サルコペニア肥満

5.肥満者でサルコペニアであるサルコペニア肥満者は存在するか?

日下部徹池上健太郎浅原哲子

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.4 No.1, 28-33, 2020

加齢とともに基礎代謝は低下し,運動不足も加わって,筋肉量は減少し,脂肪組織量は増加してくる。そのため,高齢者はサルコペニアと肥満を合併した状態,すなわち「サルコペニア肥満(sarcopenic obesity)」に陥りやすくなる。近年,サルコペニア肥満は,糖尿病や高血圧症,脂質異常症などを合併しやすく,全死亡や脳心血管病リスクを高める病態として注目されている。しかし,現在のところ,サルコペニア肥満に関する国際的な診断基準は確立されていない。
これまでに筆者らは,肥満(症)患者における腹部筋厚を用いたサルコペニア診断の有用性,サルコペニア肥満に関連する因子として筋肉由来生理活性物質であるマイオスタチンの重要性を報告してきた。
本項では,京都医療センター肥満・メタボリックシンドローム外来の肥満(症)患者におけるサルコペニア肥満の実態調査の結果と文献的考察について述べる。
「KEY WORDS」サルコペニア,肥満(症),サルコペニア肥満,マイオスタチン,脳心血管病

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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