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特集 サルコペニア肥満

3.日本人と欧米人のサルコペニア肥満の相違

笹子敬洋植木浩二郎

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.4 No.1, 16-21, 2020

インスリンには主に同化を促進する代謝作用が知られるが,骨格筋量については正に制御する方向に作用する。肥満や加齢はインスリン抵抗性の原因となる一方,骨格筋のインスリン抵抗性はサルコペニアの病態形成にかかわるとされ,また肥満を助長する可能性が考えられる。これまで日本人は欧米人に比べ,膵β細胞のインスリン分泌能が低下しやすく,また皮下脂肪による過剰なエネルギーの貯蔵能が低いため,肥満が高度に助長されないものと考えられてきた。しかしBMIで補正するとインスリン分泌能に人種差がないことが最近報告されており,サルコペニア肥満の人種差には皮下脂肪の機能,すなわち日本人の太りづらさが関連している可能性がある。代表的な住民コホートでの平均BMIは,日本人では欧米人と比べて低く,仮に同じ基準でサルコペニア肥満を評価できたとしても,その有病率はかなり低いものと推測されるが,詳細な解析が待たれる。
「KEY WORDS」インスリン,IGF-1,インスリン抵抗性,膵β細胞,皮下脂肪

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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