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特集1 サルコペニア・フレイルのコントロバーシー

3.社会的フレイルの診断項目に独居は含まれるか

B.社会的フレイルと居住形態

藤原佳典

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.3 No.1, 31-36, 2019

「社会的フレイル」について,現時点では,統一された定義は提示されていない。身体的フレイルの定義と整合性をとると,(A)適切な介入によって予防・改善することができる,(B)負の健康障害を予測する因子である,(C)客観的尺度に基づき簡便にスクリーニングできることの3要件を満たす必要がある。社会的フレイルの高齢者が固持すべき社会活動のステージ`は,友人・知人などとの私的な交流や近所づきあいが維持できるレベルと考えられる。以上より,社会的フレイルの定義として「ソーシャルサポート受容の低さ」,「社会的孤立状態」,「閉じこもり傾向」が想定される。自験例では同居者の有無にかかわらず,ソーシャルネットワークが乏しいことが健康障害をもたらすことが示めされた。一方,独居高齢者は生活環境の急激な変化に適応できず,要介護に陥る場合も予想されるため,定義に加える場合には,さまざまな付帯条件を考慮すべきであろう。
「KEY WORDS」社会参加,ソーシャルサポート,閉じこもり傾向,社会的孤立,居住形態

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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