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特集1 サルコペニア・フレイルのコントロバーシー

1.施設入所高齢者にフレイル評価は必要か

B.施設入所高齢者にフレイル評価は不要

杉本研

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.3 No.1, 11-15, 2019

わが国の施設入所高齢者は,そのほとんどが介護度3以上の要介護者で占められているため,前要介護状態がその定義であるフレイルを評価する意義は大きくないと考えられる。実際に施設入所高齢者では,フレイルの各構成要素の基準を満たす者が非常に高率であることが知られている。また,施設入所高齢者は認知機能が低下している者が多く,フレイル評価自体の信頼性が乏しい。以上から,施設入所高齢者に対するフレイル評価は不要である。しかし,施設入所高齢者では低栄養,身体機能低下,精神障害がみられる者の割合が高いため,施設入所高齢者の全てが栄養面,運動面,精神面において介入が必要な対象であり,こうした現状を認識し適切な介入を行うことが求められる。
「KEY WORDS」フレイル,サルコペニア,施設入所,要介護

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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