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特集1 サルコペニア・フレイルのコントロバーシー

1.施設入所高齢者にフレイル評価は必要か

A.施設入所高齢者にフレイル評価は必要

佐竹昭介

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.3 No.1, 6-10, 2019

フレイルは脆弱な高齢者を捉える概念であり,わが国では介護予防の観点から前介護状態として位置づけられている。しかし,介護が必要な高齢者においても自立可能な側面の支援や適切な介護サービスを行う上で脆弱性の評価は重要である。施設入所高齢者は一般に,地域在住高齢者に比べ脆弱で介護を必要とする高齢者が多い。したがって,これらの高齢者にはフレイル評価を行うべきである。ただし,フレイル評価のフォーカスが,適切な範囲にないと評価自体に意味をなさない。その意味で,高齢者総合機能評価に基づくFrailty Indexや,近年,施設入所高齢者に対するフレイル評価として提唱されたFRAIL-NHは予後予測も含めて有用性が示されている。フレイル評価が個々の高齢者に相応しい「最善の医療およびケア」につながるように利用したい。
「KEY WORDS」高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)/Cardiovascular Health Study(CHS)基準/Phenotype model/Frailty Index/FRAIL-NH

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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