原著
八戸市立市民病院に通院中の高齢者糖尿病におけるサルコペニアの現状
日本サルコペニア・フレイル学会雑誌 Vol.2 No.1, 65-70, 2018
[目的]
サルコペニアの頻度については,高齢者全体の10%以上で認められ,特に糖尿病患者では3倍に上昇するという調査報告がある。今回,Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)で提唱されたサルコペニア診断アルゴリズムを用いて,高齢者糖尿病におけるサルコペニアの現状について評価することにした。
[方法]
65歳以上の2型糖尿病患者で,DXA法の検査を行った297例を対象とした。
[結果]
サルコペニアと診断されたのは男性20例(12.4%),女性4例(2.9%),計24例(8.1%)であった。またサルコペニアと診断された群では,高齢で,骨粗鬆症・認知症があり,BMI低値,低栄養傾向,インスリン分泌能低下がみられ,糖尿病罹病期間も長かった。
[結論]
過去の調査報告と比較してサルコペニアが少なかったが,地域特性の可能性も考えられた。サルコペニアと診断された方は少なかったものの,握力低下を認め,筋の質の低下が進行していることも多く,より早期の介入が必要であると考えられた。
「KEY WORDS」サルコペニア,高齢者,糖尿病
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。