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特集 超高齢社会におけるフレイルの概念―現状と今後に期待される展開

6.フレイルと生活習慣病などの疾患との関わり

杉本研楽木宏実

日本サルコペニア・フレイル学会雑誌 Vol.2 No.1, 37-44, 2018

糖尿病はインスリン抵抗性や炎症,高血糖などを介して身体的フレイルを発症または進展させると考えられるが,血糖コントロール状態(HbA1c)とフレイルはU字型の関連を示す。血糖管理については,インスリン抵抗性改善薬が身体的フレイル進展抑制に作用する可能性がある。高血圧とフレイルの関連については一定した見解はないが,血圧管理においては,フレイルが重症になると厳格な降圧がかえって予後不良となる可能性があり,注意する。保存期慢性腎臓病(CKD)では,病期の進行とともにフレイルの頻度が増加して予後不良と関連し,運動・栄養管理が身体的フレイルの進展を予防する可能性がある。
「KEY WORDS」フレイル,糖尿病,高血圧,保存期CKD,サルコペニア

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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