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特集 超高齢社会におけるフレイルの概念―現状と今後に期待される展開

3.コグニティブ・フレイル

神﨑恒一

日本サルコペニア・フレイル学会雑誌 Vol.2 No.1, 21-24, 2018

コグニティブ・フレイルはIANA/IAGGが2013年の国際コンセンサスカンファレンスで操作的に定義したものであり,①身体的フレイルと認知機能障害(CDR=0.5)が共存すること,②アルツハイマー型もしくはその他の認知症でないことが要件とされている。すなわち,コグニティブ・フレイルは軽度の認知機能障害はあるものの認知症には至っておらず,かつ,身体的にフレイルな状態である。そもそも,認知機能の低下と身体的フレイルは合併しやすいことが多くの疫学研究で示されており,そこには生活習慣病,栄養障害,ホルモンの異常,炎症,うつなどが共通要因となっている可能性がある。コグニティブ・フレイルの定義はもともと操作的なため,実際の定義の仕方は報告者によってさまざまである。コグニティブ・フレイルはフレイルよりさらに要介護になりやすい状態なため,早期発見と適切な予防介入を行うことが肝要である。
「KEY WORDS」IANA/IAGG,Clinical Dementia Rating(CDR),Friedの基準,軽度認知障害(MCI)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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