特集 健康寿命延伸のためのサルコペニア対策―現状の課題と今後の展望
5.骨格筋量・筋力の評価法
日本サルコペニア・フレイル学会雑誌 Vol.1 No.1, 23-28, 2017
現在のところ,サルコペニアの骨格筋量評価法としては,二重Ⅹ線エネルギー吸収法(DXA 法),生体電気インピーダンス法(BIA 法),身体計測法が用いられている。DXA法は,体重を骨組織,体脂肪組織および除脂肪軟組織の3成分に分類する身体組成の測定装置であり,四肢の除脂肪軟組織が骨格筋量の指標として用いられている。BIA法は,生体組織の電気抵抗値を測定することによって身体組成を評価する方法であり,測定の手軽さや安価であることから,身体組成に関連する研究場面だけでなく,一般の家庭でも広く利用されている。超音波法は,局所の骨格筋サイズを直接評価することが可能であり,肥満者における腹部サルコペニアはメタボリックシンドロームリスクとの間に有意な関連性が認められている。身体計測法は,簡易な測定値を用いてサルコペニアを判断することが可能であり,一般対象者へのスクリーニングとして活用することができる。
「KEY WORDS」サルコペニア,骨格筋量,筋力,評価法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。