免疫チェックポイント阻害剤（immune checkpoint inhibitor：ICI）は免疫療法の主要な治療法として確立され，難治性がん患者に一定の治療効果を示している．現在では，ICIの治療効果を予測するバイオマーカーの探索や，治療抵抗性患者に効果的な併用療法の開発が進められている．がん免疫療法の発展により，これまでの標準治療では経験されなかった免疫学的治療経過が観察され，治療効果や有害事象の評価を新たに考える必要が生じている．本稿では，ICI治療により急速な病勢進行を示すhyperprogressive disease（HPD）について，臨床的知見を含め，予測マーカーや発生メカニズムについて述べる．