がん免疫における重要な役割を担うT細胞が活性化するためには,T細胞受容体を介した特異的抗原刺激の他に補助刺激シグナルが必要である.補助刺激シグナルを伝達するT細胞表面分子のことを共刺激分子,抑制シグナルを伝達するT細胞表面分子のことを共抑制分子と呼ぶ.これらの分子は抗原提示細胞,がん細胞,間質細胞などさまざまな細胞に発現する特異的リガンドと結合し,シグナルを産生する.共抑制分子とそのリガンドを介したT細胞抑制機構は免疫チェックポイントとも呼ばれ,がんに対するT細胞反応にも免疫チェックポイントが強く作用していることから,がんの治療標的となった.本稿では,がんの新規治療標的として有望視され,それらを標的とした早期臨床試験が開始されている1),細胞傷害性Tリンパ球抗原4(cytotoxicT-lymphocyte antigen 4:CTLA-4),プログラム細胞死リガンド1(programmed death-1:PD-1),プログラム細胞死リガンド1(programmed death ligand 1:PD-L1)以外の共刺激分子,共抑制分子について解説する.
Q&A(がん免疫療法 Cancer Immunotherapy)
CTLA-4,PD-1/PD-L1に続く有望な標的因子はなんでしょうか?
掲載誌
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy
Vol.2 No.2 38-40,
2018
著者名
猪爪隆史
記事体裁
連載
/
Q&Aシリーズ
/
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
/
癌
診療科目
皮膚科
/
腫瘍内科
媒体
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。