免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint blockade:ICB)の登場によって,がん免疫療法は手術療法,化学療法,分子標的療法,放射線療法と並ぶ,第4の標準治療となりつつある1).しかしながら,進行がんに対するICB単剤治療の奏効率はがん種によって異なるものの高々10~30%程度であり,膵臓癌や直腸癌のように極めて奏効率が低いがん種もある2–4).このような単剤治療の限界を超えるべく,複数の治療法・治療薬を組み合わせて抗腫瘍免疫応答における相乗効果を誘導し,より高い延命効果をもたらすような治療法,これが複合免疫療法である5).本稿では,複合免疫療法の原理,種類,開発状況について概説する.
Cancer-Immunological Topics
4 複合免疫療法
第1回 複合免疫療法とは:複合免疫療法のコンセプトと種類,分子機序,開発研究
掲載誌
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy
Vol.2 No.1 56-59,
2018
著者名
菊池泰弘
/
鳥越俊彦
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
癌
/
病理
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。