美容皮膚科講義
Paper No.2 間葉系幹細胞由来細胞外小胞の免疫療法・再生医療への応用:次世代治療ツールとしての可能性
Bella Pelle Vol.8 No.1, 49, 2023
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells;MSC)は,骨髄,臍帯血および臍帯組織,脂肪組織などさまざまな組織から広く分離することができ,自己複製能と多能性分化能を有する.数多くの研究により,MSCは免疫療法や再生医療の発展に大きな可能性をもっていることが示されており,その治療効果は,おもにパラクライン作用に基づくものであることが明らかになっている.細胞外小胞(extracellular vesicle;EV)は,MSCの基本的なパラクラインエフェクターであり,さまざまな体液や細胞上清に存在し,細胞間情報伝達に重要な役割を担っている.EVは核酸や蛋白,脂質といった生物活性分子を含有しており,細胞間においてそれらの物質を輸送する担体として機能している.
「KEY WORDS」間葉系幹細胞,細胞外小胞,免疫療法,再生医療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。