美容皮膚科講義
Paper No.1 ヒトES細胞由来のエクソソームは,血管内皮細胞老化を改善させ加齢マウスの創傷治癒を促進する
Bella Pelle Vol.5 No.3, 52, 2020
血管新生は創傷治癒に欠かせない内因性修復機構であり,加齢による血管内皮細胞の老化はその機能を低下させ,組織修復を遅延させる.以前よりES細胞は,その無限増殖能や多様性から加齢関連疾患への治療応用が期待されてきた.しかし,幹細胞移植は腫瘍形成や拒絶反応のリスクがあり,臨床応用は難しい現状がある.近年,幹細胞から分泌されるエクソソームという細胞間の情報伝達を担うナノ粒子が,分泌した細胞と同様の再生能をもつ一方で,腫瘍化や拒絶のリスクは低いとされ,さまざまな疾患への新規治療のターゲットとして注目されている.
「KEY WORDS」血管新生,エクソソーム,加齢,創傷治癒
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