わが国では,特定保健用食品(トクホ),栄養機能食品,機能性表示食品が,保健機能食品と呼ばれる.サプリメントは,いわゆる健康食品と考えるのがよい.近年の栄養学の進歩で,微量でも重要な役割を果たす栄養素が多くあることがわかり,これらを用いて健康維持を目的とした製品が販売されている.見た目(皮膚・容貌・体形)の問題点を脳腸皮膚相関の観点から予防医学として捉えるとわかりやすい1).そこで,現段階では患者とは定義できないが将来的に皮膚疾患の患者に移行しそうな方に,初めから医薬品を処方するのではなく,機能性表示食品(農産品も含まれる)(2015年法制化;詳細は消費者庁ホームページ)を活用する健康増進という取り組みが注目されている.保健機能食品に分類されない食品は健康食品として販売されている.当然,より信頼性が高くエビデンスもある保健機能食品が好ましい.また,美容皮膚科医の場合は,消費者が気づかないうちに患者へと移行していることもあるので,どのような健康食品を摂取しているかを積極的に聴取し,問題を整理し,投薬する必要があれば早期に治療介入すべきである.