特集 点滴とサプリ
Tell me, maestro マエストロに聞く 糖化と皮膚の老化
Bella Pelle Vol.4 No.3, 34-37, 2019
加齢に伴い,生体内蛋白は一様に糖化を受け,臓器障害性の強い終末糖化産物(advanced glycation end-products;AGEs)と呼ばれる老化蛋白を形成するに至る.AGEsの生成,蓄積は,加齢や炎症,虚血,高血糖下でも亢進することが知られており,老化のプロセスに深くかかわることが明らかにされてきている.事実,AGEs化した蛋白はその機能が劣化するだけではなく,細胞表面に存在するAGEs受容体(receptor for AGEs;RAGE)によって認識され,酸化ストレスや炎症反応を惹起させることで,心血管合併症や骨粗鬆症,アルツハイマー病,癌など,加齢に伴ってリスクが上がるさまざまな疾病を引き起こす1-8).さらに,タバコや食品に由来する外因性のAGEsの過剰摂取が,多岐にわたる老年疾患の発症リスクを高めることが報告されている9).また,AGEsの蓄積は,体内老化を押し進めるだけでなく,見た目の老化,つまり,シワ,シミ,たるみ,薄毛などの美容的な問題を引き起こすことも明らかにされてきている10).
本稿では,AGEsと皮膚の老化との関連性について解説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。