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美容皮膚科に必要な外科的Option & Technique

第9回 鼻部の黒色腫瘍は,レーザー治療をする前にしっかり診る

山下理絵

Bella Pelle Vol.4 No.1, 62-64, 2019

基底細胞癌(basal cell carcinoma;BCC)は皮膚の上皮(表皮や毛包上皮)から発生する皮膚癌の一種であり,皮膚癌のなかでは最も頻度が高く,かつ,最も悪性度が低い癌といわれている.好発部位は顔面で,筆者の統計では75%が顔面にでき,そのうち44%が鼻部の発生であった.初診時の腫瘍径は2~18mmの大きさで,またその多くが,顔面の「黒子切除」を希望し受診した患者であった.ダーモスコピーでの診断が重要であるが,ない場合には,拡大鏡を使いよく見ることでほとんどが診断できる.腫瘍の中の灰青色部位や腫瘍周囲の血管拡張などがあれば,基底細胞上皮腫(basal cell epithelioma;BCE)を疑い,安易にレーザー治療をしないようにする.しかし,診断が困難な場合は,生検を行い確実に診断をつける.BCCは臨床的には,不規則に黒色調を呈する結節状の腫瘍で,ゆっくりと成長しながらしばしば表面が崩れ潰瘍化してくる.臨床分類は,筆者の統計では,①結節潰瘍型(80%),②表在型(11%),③斑状強皮症型(2%),④その他(囊胞型,色素型など)(7%)の4型に分類される.とくに鼻部にできる結節潰瘍型は,色素性母斑に類似しているため診断,治療には注意が必要である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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