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特集 にきび

Feature Articles 特集論文 3.光線力学的療法による痤瘡治療

──PDTとは何か,なぜ効くか

島本良子

Bella Pelle Vol.3 No.1, 24-27, 2018

光線力学的療法(photodynamic therapy;PDT)とは,光感受性物質アミノレブリン酸(aminolevulinic acid;ALA)と光化学反応を惹起する特定波長の励起光を用いて,正常組織を障害せず,選択的に特定の組織だけを障害する治療法である1).皮膚科におけるPDTはALAが親水性のため20% ALA軟膏を皮膚に塗布して行うALA外用PDTが主流を占め,国内でも日光角化症やボーエン病,乳房外パジェット病などの治療に用いられ高い治療効果が得られている2).痤瘡(にきび)に対するALA外用によるPDTはALAが毛包・皮脂腺に親和性があることから,海外では2000年頃から痤瘡の治療に用いられ始めたが,外用ALAは毛包・皮脂腺および正常表皮の基底層にも親和性があるため高い頻度で色素沈着を起こす欠点があった3).外用療法の色素沈着を軽減するため,低濃度2~5%のALA軟膏の使用や,密封期間・密封法の変更により浸透度を軽減させた報告があるが4, 5),治療効果と色素沈着の問題は完全に克服されていない.
海外でALA外用PDTが行われ始めた頃,国内では伊藤により,ALA内服PDTによる痤瘡治療法が考案された.ALA内服によってもALAは表皮以外の毛包・皮脂腺に選択的に取り込まれるため,表皮基底層へのダメージがないことを実験的に証明した6).ALA内服PDTは外用療法に比べ色素沈着が予防可能で簡易的かつ治療効果の高い方法であり,今日まで受け継がれてきた.PDTではALAが取り込まれた細菌内でも活性酸素を生じ細菌の細胞膜や細胞壁に障害を起こすため,従来の抗生物質とは異なる作用機序で殺菌効果が得られ,耐性菌を生じさせない治療法としても有効である7, 8)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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