今年の第35回日本美容皮膚科学会総会は,天神祭の後の暑い大阪で開催されました.参加人数も多く,夏の暑さを吹き飛ばす熱い討論が会場の至る所で交わされました.今回はとくに印象深かった真皮の構造に関する2 つの基礎演題について概説をお願いしました.
シミやクスミがおもに表皮の加齢変化であるのに対して,シワやたるみは真皮や皮下組織の加齢変化です.教科書的には,真皮の弾性線維の変化や,皮下脂肪組織の萎縮した真皮への陥入などが生じることは知られていましたが,その詳細は病理組織切片の平面上での情報でした.今回の発表は,ニ光子励起顕微鏡やマイクロCTからの情報を使えばこのような変化も三次元で詳細に解析することが可能となることを示した点で画期的です.