Scientific Meeting 注目演題 Pick up!
第34回日本美容皮膚科学会総会・学術大会
Bella Pelle Vol.1 No.2, 38-41, 2016
日本はこれまでも,痤瘡の治療に健康保険が使える世界的にもめずらしい国であったが,その内容は寂しいもので,抗菌薬の外用・内服,硫黄カンフル外用液などが治療の中心であった.しかしながら,2008年にはわが国でもアダパレンが処方できるようになり,担当医は日本皮膚科学会の『尋常性痤瘡治療ガイドライン』に定められているケミカルピーリングなどの自費診療も含めて,さまざまな工夫をしながら,難治性・再発性の痤瘡治療に取り組んできたのが実情である.今回の朗報は,2015年に過酸化ベンゾイル(BPO)がわが国でも処方可能となり,世界標準の治療ができるようになった点である.本年(2016年)のガイドライン改訂でも世界に通じるものが作成された点で,ガイドライン作成委員会委員長の林伸和先生をはじめ委員の先生方も肩の荷がだいぶ軽くなったのではないかと拝察している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。