Selected Papers 海外文献紹介
基礎 自己免疫は特発性肺動脈性肺高血圧症の重要な特徴である
Pulmonary Hypertension Update Vol.8 No.2, 59-61, 2022
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の原因として,一部の患者ではBMPR2などの遺伝子異常を有するが,原因不明のPAHは特発性PAH(IPAH)と呼ばれる。ほかに全身性強皮症(SSc)や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病と関連して発症するPAHもある。また,IPAHでも肺での炎症や免疫細胞の浸潤,自己抗体の産生など自己免疫疾患と重複する特徴を示すことから,自己免疫がIPAHの病態形成にも関与していると考えられている。しかし,この自己免疫がIPAHを引き起こしているのか,それともIPAHに付随するのかについては議論のあるところである。さらに,自己免疫がIPAHの予後にもたらす影響や治療上の意義は不明である。本研究では,IPAHにおける自己免疫の関与について大規模な横断的コホートを用いて検討した。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。