タイプ別肺高血圧症診療のポイント
青黛による肺高血圧症診療のポイント
Pulmonary Hypertension Update Vol.8 No.2, 48-53, 2022
肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)は,安静時の右心カテーテル検査にて実測した平均肺動脈圧(mPAP)が≧25mmHgと定義される1)。肺血管圧の上昇により右心不全をきたし,労作時呼吸困難や呼吸不全を呈する生命予後不良な疾患である。PHのうち肺動静脈病変が主体である場合,臨床分類の第1群にあたる肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)と診断される。PAHのなかには遺伝学的背景を有する病態,背景疾患として結合組織病や先天性心疾患,門脈圧亢進などを有する病態,肺静脈病変や毛細血管病変を有する病態など,原因疾患によって細かく分類されている。本稿で扱う薬物・毒物誘発性PAHは臨床分類第1.3群に分類される。
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