膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症は肺高血圧症(PH)の原疾患の1つとして重要である。その診療においては全身のさまざまな臓器合併症を伴って常にその影響を受けることや,免疫異常を背景とする場合があることなどから,他の原因疾患とは異なったアプローチが必要になり,予後にも大きく影響してくる。
強皮症によるPHに対しては,免疫抑制薬が奏功しないことから早期からの介入による進展抑制が特に重要と考えられ,早期からのスクリーニングに焦点を当てた研究が近年進んでいる。また,他の臓器合併症への影響の評価に関するデータも出てきている。全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群によるPHに関する治療の報告も蓄積されているところで,抗リン脂質抗体症候群によるPHでは新しい治療の可能性も出てきた。本稿ではこれらについて解説を行っていく。
「KEY WORDS」膠原病性肺高血圧症(CTD-PH),全身性強皮症(SSc),全身性エリテマトーデス(SLE),混合性結合組織病(MCTD),シェーグレン症候群(SS)
強皮症によるPHに対しては,免疫抑制薬が奏功しないことから早期からの介入による進展抑制が特に重要と考えられ,早期からのスクリーニングに焦点を当てた研究が近年進んでいる。また,他の臓器合併症への影響の評価に関するデータも出てきている。全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群によるPHに関する治療の報告も蓄積されているところで,抗リン脂質抗体症候群によるPHでは新しい治療の可能性も出てきた。本稿ではこれらについて解説を行っていく。
「KEY WORDS」膠原病性肺高血圧症(CTD-PH),全身性強皮症(SSc),全身性エリテマトーデス(SLE),混合性結合組織病(MCTD),シェーグレン症候群(SS)