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Theme 膠原病に伴う肺高血圧症 State of the Art

膠原病に伴う肺高血圧症の病態

安岡秀剛

Pulmonary Hypertension Update Vol.8 No.1, 20-25, 2022

膠原病(CTD)は全身性の自己免疫性の慢性炎症性疾患で,その臨床像は患者により多彩である。CTDからみると全身性エリテマトーデス(SLE),強皮症(SSc),混合性結合組織病がわが国での3大疾患で,肺動脈性肺高血圧症(PAH)は重要な生命予後規定因子である。一方で,PAHからみるとCTD合併PAH(CTD-PAH)はPAH全体の半数を占め,無視できない一群である。CTD自体がPAHのリスク因子で罹患率が高いことから,スクリーニングによる早期診断が可能であり,生命予後改善のためのkeyとなっている。病態や自然歴の理解が重要で,これらを踏まえてSScは肺血管拡張療法が中心,非強皮症(non-SSc)例では炎症相を捉えた免疫抑制療法の効果による生命予後の改善が期待される。後者では,過去の報告から短期の治療反応性と予後改善の可能性が指摘されている。CTD-PAHに対し,基礎にある病態を踏まえたアプローチについて概説する。
「KEY WORDS」膠原病(CTD),全身性強皮症(SSc),肺動脈性肺高血圧症(PAH),肺血管拡張薬,免疫抑制療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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