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目でみる肺高血圧症

肺動脈性肺高血圧症の高分解能CT像―肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症の鑑別も含めて―

杉浦寿彦

Pulmonary Hypertension Update Vol.7 No.1, 4-6, 2021

本邦ではCTは広く普及していることもあり,肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)のみならず呼吸器疾患一般のスクリーニングとしてCTが撮影されることが多い。PH診療におけるCTの役割は,慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎といったPHの原因となりうる疾患の鑑別や,肺動脈造影CTによる慢性血栓塞栓性肺高血圧症の肺動脈内血栓の形態評価などがあり,これらは従前から行われてきた。またCTによるPHの存在を示唆する所見として肺動脈主幹部の拡大,または肺動脈が大動脈より拡大していることが知られている1)。さらに近年では心電図同期CTにて心臓の形態評価を行うことで,心房中隔欠損症などの先天性心疾患の鑑別だけでなく,血行動態の推定も可能になってきている2)
一方で肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)に関しては,CTは所見がないのがむしろ特徴とされていた。しかし第6回PHワールドシンポジウム3)でPAH(第1群)に内包された肺静脈閉塞症(pulmonary veno-occlusive disease:PVOD)/肺毛細血管腫症(pulmonary capillary hemangiomatosis:PCH)では肺高分解能CT(high resolution CT:HRCT)で特徴的な所見を呈することが知られている。本稿ではこれらを中心に概説する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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