基礎医学Up-To-Date
肺高血圧症におけるエストロゲンとcGMP
Pulmonary Hypertension Update Vol.6 No.1, 42-46, 2020
他の心血管疾患と同様に肺高血圧症(pulmonaryhypertension:PH)の疫学,臨床経過に性差が存在することは以前から指摘されており,複数のレジストリにおいてもそれが実証されつつある。基礎研究領域においても性差の影響についてこれまでに多くの知見が得られている一方で,依然として不明な点も残されている。
本稿ではPHにおける性差に関してまず臨床的特徴について触れたのち,基礎研究領域において現時点で明らかにされている事項を,性ホルモンのうち最も広く研究されているエストロゲンに焦点をあてて概説する。さらに,PHに対するエストロゲンの薬理においてわれわれが着目している環状グアノシン一リン酸(cGMP)との関係について述べる。
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