Theme 第6回肺高血圧症ワールドシンポジウム―併用療法以外の話題― State of the Art
肺高血圧症の診断
Pulmonary Hypertension Update Vol.5 No.2, 32-38, 2019
2018年2月にフランスのニースで行われた第6回肺高血圧症(PH)ワールドシンポジウムの「診断」分科会で発表された要旨が“European Respiratory Journal”に報告されたので,その内容を要約した。PHの診断アルゴリズムでは,病歴などから心エコーが施行されてPHの存在が明らかとなったら,肺血流シンチグラフィなどで慢性血栓塞栓性肺高血圧症をまず鑑別する流れとなった。そしてこれが陽性であったり肺動脈性肺高血圧症の原因疾患があるような場合には,直ちにPH専門家に相談することを勧めている。さらに診断,治療を進めるにあたっては,関連するPH診療に従事する医療者が早期に集まって,共同で診療にあたることが推奨されている。後半は,膠原病性,門脈性,先天性PHや,HIVに起因するPHなどに関して右心カテーテル検査などによる精査をする基準について推奨を示すとともに,新しい診断技術であるDual energy CT,MRIによる右室ストレイン,4D flow MRI,人工知能(AI)に関して紹介された。
「KEY WORDS」World symposium pulmonary hypertension,肺高血圧症,診断,4D flow MRI
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。