Theme 第6回肺高血圧症ワールドシンポジウム―併用療法― State of the Art
膠原病に伴う肺高血圧症
Pulmonary Hypertension Update Vol.5 No.1, 37-45, 2019
これまでの肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象とした選択的肺血管拡張薬の大規模臨床試験の成績をもとに,リスク分類に応じた治療アルゴリズムが発表された。2018年ニース会議で提唱された治療アルゴリズムは,限定された症例を除き,初期からの併用療法が推奨されている。膠原病(CTD)に伴うPAHの単独の選択的肺血管拡張薬の有効性についてのエビデンスはほぼ皆無だが,原則は特発性PAHと同じ治療アルゴリズムに従うことが推奨されている。AMBITION試験では,初期からの併用療法はCTD-PAHにおいても有効であることが示された。一方で強皮症(SSc)に伴うPAHでは,肺,心筋,肺静脈に併存病変をきたし,選択的肺血管拡張薬を投与することでのリスクが高いので,1剤ずつ安全性を確認しながらの投与のほうが望ましい。
「KEY WORDS」サブ解析,治療アルゴリズム,リスク分類,併用療法,併存病変
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