<< 一覧に戻る

Theme 肺高血圧症の治癒に向けて State of the Art

肺動脈性肺高血圧症進展における血行動態ストレスの病態的役割の解明とストレス軽減による治療効果

阿部弘太郎

Pulmonary Hypertension Update Vol.4 No.2, 20-29, 2018

本邦における肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬の使用方法は,単剤投与よりも治療初期から複数の治療薬をほぼ時間差なく併用するupfront combination therapyが主体となっている。本邦の肺高血圧症専門施設8病院で行われたレジストリでは,高用量エポプロステノールも含む多剤併用療法によってPAHの肺動脈圧は著明に低下し,その予後も劇的に改善することが示された。本稿では,PAHの閉塞性リモデリング病変の進展・維持における血行動態ストレスの病態的役割と,血行動態ストレス軽減による肺血管リバースリモデリングのメカニズム解明に関する基礎研究の結果を示す。また,リバースリモデリングに関する臨床例を紹介し,血行動態ストレス軽減によるPAH治療効果の可能性について解説する。
「KEY WORDS」肺動脈性肺高血圧症,血行動態ストレス,モデル動物,リバースリモデリング

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る