肺高血圧症(PH)は,肺血流量の増加,肺静脈圧の上昇,血管攣縮や肺血管のリモデリングなどさまざまな要因で生じる。心不全はPH分類第2群の主な原因であり,左室駆出率が保たれているheart failure with preserved ejection fraction(HFpEF)あるいは低下しているheart failure with reduced ejection fraction(HFrEF)に分類される。しかし,心不全ではその駆出率に関係なく,PHの重症度がその有害事象と関連していることが報告されている。このPHの重症度には,肺血管のリモデリングの関与が示唆されているが,HFpEFやHFrEFにおける肺血管リモデリングに関する系統的な研究はなかった。そこで,本研究では,駆出率に関係なく,心不全による慢性的な肺静脈圧上昇が肺静脈のリモデリングを生じ,PHの重症度や右室機能障害に関与するか,また肺の拡散能(DLCO)と関連するかを検討した。
海外文献紹介
臨床 左室駆出率が保持された,あるいは低下した心不全に伴う肺高血圧症では,肺血管全体にリモデリングが生じている
掲載誌
Pulmonary Hypertension Update
Vol.4 No.1 66-67,
2018
著者名
池田聡司
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
高血圧
診療科目
循環器内科
媒体
Pulmonary Hypertension Update
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。