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インタビュー 肺高血圧症診療 Best Practice

福島における肺高血圧症診療のこれまでと今後

中里和彦

Pulmonary Hypertension Update Vol.4 No.1, 57-63, 2018

私が医師になったのは1992年の春,循環器内科医を目指して地元にある福島県立医科大学の旧内科学第一講座に入局しました。肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)は稀な難治性疾患で,特に肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は年間100万人に1~2例の発症頻度ともいわれ,人口の少ない当地域では年間1~2例が紹介受診される程度でした。もちろん1990年代当時はPHの有効な治療法は存在せず,苦肉の策でカテーテルを留置して半減期の短い血管拡張薬から順に試験的に投与していくものの,体血管の拡張により血圧が低下し,病態は悪化するばかり。どんなに手を尽くしても患者さんを救えない時代に,PHを専門に診ようとする循環器内科医はいませんでした。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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