肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)は5群に分類され,近年の肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)治療薬(肺血管拡張薬)の目覚ましい開発により,第1群PAH患者のQOL・予後は著明に改善している。本邦では早期からの積極的な多剤併用・降圧治療により,極めて良好な予後を達成した1)。ここで,担癌患者の約3%には肺動脈腫瘍塞栓微小血管症(pulmonary tumor thrombotic microangiopathy:PTTM)を生じると報告され2),そのなかにはPHを急速に発症・進行し,予後不良の第5群PH病態(PTTM-PH)をきたすとされる。生前診断すら困難であるPTTM-PHではあるが,われわれは診断のみならずPHコントロールにも成功し以前報告した3)。このPTTM-PHの診断・治療に関して改めて紹介・考察してみたい。
タイプ別肺高血圧症診療のポイント
肺動脈腫瘍塞栓微小血管症性肺高血圧症(PTTM-PH)
掲載誌
Pulmonary Hypertension Update
Vol.4 No.1 48-55,
2018
著者名
八尾 厚史
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
高血圧
診療科目
循環器内科
媒体
Pulmonary Hypertension Update
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。