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Theme 肺高血圧症の境界域―各群における鑑別・診断の難しさ― State of the Art

強皮症に伴う肺高血圧症の各群の鑑別

木下秀之

Pulmonary Hypertension Update Vol.4 No.1, 34-42, 2018

全身性強皮症(SSc)においては,さまざまな機序で肺動脈圧が上昇することが知られている。具体的には第1群の肺動脈性肺高血圧症(PAH)としては,結合組織病によるもの,特にSScそのものによるPAHだけでなく,全身性エリテマトーデス(SLE)やANCA関連血管炎などの他の膠原病の合併によるPAHの可能性,また,その他に原発性胆汁性肝硬変合併やうっ血肝を背景にした門脈圧亢進症による第1群のPAH,肺静脈病変(第1’群),左室拡張障害(第2群),間質性肺炎(第3群),肺塞栓症(第4群),腎障害・腎不全(第5群)を発症する可能性がある。SScに伴う肺高血圧症はさまざまな機序で発症し,多くの症例でいくつかの機序が合併していると考えられ,上記機序の鑑別を十分に行うことが重要である。
「KEY WORDS」肺高血圧症(PH),肺動脈性肺高血圧症(PAH),全身性強皮症(SSc),心臓カテーテル検査,心エコー検査

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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