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Q 肺高血圧症患者さんに対する運動療法について教えてください。

Pulmonary Hypertension Update Vol.3 No.2, 78-81, 2017

肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)患者さんにおける運動耐容能低下の要因には,肺循環障害による呼吸・循環機能の低下だけでなく,末梢骨格筋における代謝機能の低下が大きく関与していると考えられます。内科・外科的治療による中枢機能の改善に伴い運動耐容能は増加しますが,末梢機能の改善により運動耐容能をさらに増加させるのが全身持久力運動や筋力トレーニングといった運動療法です。近年,治療により肺循環動態が改善・安定しているPH 患者さんに対する監視下運動療法を主体とした包括的リハビリテーションの有効性が報告されています。6分間歩行距離などの運動耐容能,WHO機能分類,息切れの自覚症状やQOLなどが有意に改善することや,その作用機序として,骨格筋での毛細血管密度や酸化酵素活性の増加などが示唆されています。患者さんの多くは運動習慣がないため,運動療法の動機づけにはこれらの効果をきちんと説明することが必要です。しかしここで注意するべきことは,運動療法は肺血管病変に作用するのではないということ,そして,内科・外科的治療の付加療法であるということです。これらを常に念頭に置いて実施していきます。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録