薬物療法マネージメントのこつ
乳癌診療とがん治療関連心機能障害(cancer therapy-related cardiac dysfunction:CTRCD)
CANCER BOARD of the BREAST Vol.7 No.2, 48-52, 2023
がん治療関連心機能障害(cancer therapy-related cardiac dysfunction:CTRCD)はがん治療中または治療後に心不全症状の有無にかかわらず,左室駆出率(LVEF)が低下する病態であり,LVEFがベースラインよりも10%ポイント低下して50%を下回る状態である。がんの治療成績が向上した昨今,晩期有害事象として再認識され腫瘍循環器学として診療連携,体制構築が進んでいる。
本稿では乳癌治療におけるCTRCDのマネージメントについて紹介する。CTRCDのリスクは患者因子と治療因子により評価される。マネージメントは治療前・治療中・治療後に分けて考えられるが,乳癌治療担当医にとっては治療前の評価と治療計画,その後のモニタリング,適切なタイミングでの循環器内科への紹介が重要である(図1)1)2)。
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