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乳癌カレントトピックス

閉経前乳癌内分泌療法の長期副作用

鰐渕(遠藤)友美遠山竜也

CANCER BOARD of the BREAST Vol.4 No.2, 50-51, 2018

現在,日本人の2人に1人が生涯において何らかの癌に罹患すると言われている。近年,一度でも癌と診断されたことのある人々を「がんサバイバー(Cancer Survivor)」と言い,癌の診断を受けてからその後を生きていくうえでのさまざまな問題を,サバイバー本人とその周囲が乗り越えていくという考えが,「がんサバイバーシップ(Cancer Survivorship)」として提唱され,浸透しつつある。多くのサバイバーは治療中や治療を終えた後でもさまざまな課題を抱えて生活をしていくこととなるが,治療後の課題とは再発への恐怖,ライフスタイルの変化や経済的問題,周囲との人間関係の問題に加えて,治療の長期的合併症があげられる1)
日本において,乳癌は依然として増加の一途をたどっており,日本人女性が罹患する癌の第一位である。また,発症のピークがほかの癌に比べ若年であることも特徴的である。日本において,乳癌は,最近20年間でいずれの年齢層においても約3倍に増加しているが,増加分のほとんどはエストロゲンレセプター(ER)陽性乳癌が占めることを報告した2)。特に40歳代(閉経前)では全体の約9割がER陽性乳癌であった2)。ER陽性乳癌,特に,ホルモン受容体陽性,かつ,HER2陰性の乳癌は,ほかのサブタイプと比べて再発する可能性は低いものの,晩期再発のリスクは相対的に高いことが臨床的課題となっている。閉経前乳癌患者の場合,サバイバーとしてその後の長い人生を歩むこととなり,内分泌療法の合併症も,短期的なものだけではなく長期的な合併症についても理解を深めておく必要がある。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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