甲状腺結節の良悪鑑別を目的として,以前は99mTcシンチグラフィや123Iシンチグラフィ,201Tlシンチグラフィ,67Gaシンチグラフィなどが施行されていた。しかし,現在ではそのような目的での検査の頻度は減少し(むしろほとんど行われていないと思われる),特に前二者においては甲状腺中毒症など甲状腺機能異常症の精査やバセドウ病のアイソトープ治療時の投与量決定などを目的として実施されているのが現状であろう。そのため,本稿では,131Iシンチグラフィを中心として,近年悪性腫瘍診療で広く用いられるようになった18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を用いた陽電子放出断層撮影(positron emission tomography:PET)あるいはPET/CT(以後FDGPETと記載)について2回に分けて解説する。第1回である今回は,放射線医学や核医学を専門としている方々にとっては釈迦に説法かもしれないが,内分泌内科や内分泌外科,耳鼻咽喉科などを専門としている方々にも是非知っておいていただきたい基礎的な内容から始めたい。蛇足であるが,「RI診断」というテーマでありながら後述のように131Iシンチグラフィは治療の側面をも持ち合わせているため,若干テーマにずれが生じるかもしれないがご了承くださるようお願いする。
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甲状腺癌のRI診断(<sup>131</sup>Iを中心に)
第1回 基礎篇
掲載誌
Thyroid Cancer Explore
Vol.3 No.1 4-10,
2017
著者名
赤谷 憲一
/
若林 大志
/
絹谷 清剛
記事体裁
抄録
疾患領域
甲状腺・副甲状腺
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Thyroid Cancer Explore
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。