<< 一覧に戻る

Psychiatric Lecture

診断・検査 ICD-11における睡眠-覚醒障害

三島和夫

精神科臨床 Legato Vol.6 No.2, 27-32, 2020

睡眠-覚醒障害は約70種類に分類され,そのなかには不眠症や睡眠時無呼吸症候群のように罹患頻度が高く,幅広い年代層で罹患する疾患も数多く含まれている。また,レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群,睡眠時遊行症,過眠症のように精神神経疾患や神経発達障害の病理・病態と密接に関連した睡眠障害もある。すなわち睡眠-覚醒障害は,精神疾患や脳神経疾患の診療で押さえておくべき頻度の高い併存症である。ところが,最も汎用されている疾患分類であるICD(疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)では,これまで睡眠-覚醒障害をまともに取り上げてこなかった。後述するようにICD-10まではごく一部の睡眠-覚醒障害が登録されているに過ぎず,またそのコード方法はいくつもの問題を抱えていた。2018年6月18日に世界保健機関(world health organization;WHO)が公表したICD-11においてようやく「第7章:睡眠-覚醒障害(Chapter 07:Sleep-wake disorders)」という新たな章(大分類)が設けられ,睡眠-覚醒障害が系統的に取り扱われるようになった1)(表1)。睡眠-覚醒障害の最も代表的な診断基準として睡眠医療や睡眠医学研究に汎用されている,米国睡眠医学会により2014年に刊行された睡眠障害国際分類第3版(International Classification of Sleep Disorders-3rd edition;ICSD-3)2)に準拠して作成されており,睡眠医学の標準にようやくICDが追いついたことに多くの関係者が安堵している。
「KEY WORDS」睡眠-覚醒障害,ICD-11,ICSD-3,DSM-5,精神疾患,脳神経疾患

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る