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Evidence Explanation

実臨床の治療環境を反映したDoubly Randomized Preference Trial

渡辺範雄

精神科臨床 Legato Vol.5 No.2, 38-39, 2019

近年,患者さんと医療者が治療に関するエビデンスを共有し,話し合いのもとで治療方針を決定する共同意思決定(shared decision making;SDM)が重要視されています。そのため,意思決定のプロセスにおいて,複数の治療から1つの治療を選択する際の患者さんの嗜好性は,重要な要素であると考えられます。
では,実臨床で患者さんの嗜好性を汲むことは治療にどのような効果を及ぼすのでしょうか? この臨床的疑問を明らかにする試験デザインとして,2010年代より従来のランダム化比較試験(randomised controlled trial;RCT)に被験者の嗜好性の要素を加味し,無作為割付群と治療選択群を設定したうえで治療群とコントロール群を比較するDoubly Randomized Preference Trial(DRPT)というユニークな手法が登場しました。
今回はDRPTの手法を用い,心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder;PTSD)に対する治療をセルトラリンによる薬物療法群と持続曝露療法群で比較検討した最新の知見を紹介します1)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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