本稿では,発達障害の診断では過剰診断,適切な診断,過少診断の基準を明確に定めることができないこと,公的なサービスを受けている発達障害の成人は疫学調査から予想されるよりも,はるかに過少であることを指摘した。発達障害では患者との診察を通して発達歴を聴取することは患者の過去の苦難を知り,治療方針を立てるうえで有用である。
「KEY WORDS」自閉症スペクトラム,ADHD,過剰診断,DSM-5