1774年,25歳のゲーテ(1749~1832年)が4週間で書き上げたという若き天才の書『若きウェルテルの悩み』には,うつ病を思わせるウェルテルの苦悩と,それに対する周囲の対応が描かれている。
この作品は,ウェルテルという若者が,美しい人妻ロッテに叶わぬ恋をして,最後は自殺するという物語だが,1772年12月21日に自殺する前のウェルテルには,うつ病を思わせる症状が認められる。
たとえば,1771年8月21日の友人ウィルヘルムに宛てた手紙には,「毎朝ぼくは重苦しい夢から醒めてゆき(中略),涙の川が締めつけられた胸からほとばしり,ぼくは慰めもなく暗い未来に向かって泣く」と書き,翌8月22日の手紙には,「ぼくの活動力は落ち着きのない無気力に堕し,じっとしていることはできないが,そのくせ何一つすることもできない」と書いている。
この作品は,ウェルテルという若者が,美しい人妻ロッテに叶わぬ恋をして,最後は自殺するという物語だが,1772年12月21日に自殺する前のウェルテルには,うつ病を思わせる症状が認められる。
たとえば,1771年8月21日の友人ウィルヘルムに宛てた手紙には,「毎朝ぼくは重苦しい夢から醒めてゆき(中略),涙の川が締めつけられた胸からほとばしり,ぼくは慰めもなく暗い未来に向かって泣く」と書き,翌8月22日の手紙には,「ぼくの活動力は落ち着きのない無気力に堕し,じっとしていることはできないが,そのくせ何一つすることもできない」と書いている。