1943年のLeo Kannerによる自閉スペクトラム症の報告以降,その原因・病態についてはさまざまに議論,研究されてきた。近年の生物学的な研究によって量産されている自閉スペクトラム症研究のうち,本稿では遺伝,免疫系,脳腸相関について概説する。加えて従来あまり考慮されてこなかった自閉スペクトラム症の薬物治療の可能性についても述べる。
「KEY WORDS」自閉スペクトラム症,生物学的精神医学,遺伝,免疫系,脳腸相関