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Psychiatric Lecture

疫学 インターネットゲーム障害の現状と課題

樋口進

精神科臨床 Legato Vol.4 No.2, 12-17, 2018

―この20年でインターネットの利用者は急激に増加しています。現状を教えてください。
2016年の総務省の通信利用動向調査1)によると,インターネットの人口普及率は83.5%と,多くの人がインターネットを個人使用しており,特に6~12歳の世代が82.6%と,前年比7.8ポイントと大幅に上昇していることがわかります。また,利用端末の種類(当該端末を用いて過去1年間にインターネットを利用したことのある人の比率)では,1位がパソコンの58.6%,2位がスマートフォンの57.9%と,両者が僅差で上位を占める結果となっています。わが国でインターネットの商業利用が始まったのは1993年ですが,各種端末の普及とともに社会問題として注目されるようになり,医学論文においても過剰使用や悪影響が取り上げられるようになってきました。
2008年にわれわれが全国の成人男女7,500人を対象に行った調査2)では,成人人口の約275万人がすでにインターネット依存傾向(インターネット依存度テスト(Internet Addiction Test;IAT)40点以上)にあることが推定されました。2013年に行った同様の調査3)では約421万人と推定され,5年間で1.5倍と急激な増加傾向にあることが明らかとなりました。
また,2012年に行った中高生約10万人を対象とした大規模な調査4)では,全国の中高生のうち約52万人でインターネット依存(診断質問票(Diagnostic Questionare;DQ)の8問中5問以上にあてはまる)を強く疑われると推定されました。その後,2014年に総務省によって行われた東京都の高校生約15,000人を対象に行った調査からも,男子の3.9%,女子の5.2%にインターネット依存傾向(IAT70点以上)が高いことが報告されています5)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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