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Psychiatric Lecture

(治療)統合失調症のリカバリーを見据えた薬物療法

岸本泰士郎

精神科臨床 Legato Vol.2 No.3, 24-28, 2016

統合失調症の治療のゴールとしてリカバリー(回復)の重要性が強調されるようになって久しい。本稿では,リカバリー促進のために薬物療法には何ができるのかという視点から現在までのエビデンスを概説する。維持期の治療に際しては,確実な再発予防が鍵となるが,長期的な服用を見据えた副作用への配慮も不可欠である。リカバリー達成のためには,薬物療法のみならず,心理社会的な治療を組み合わせた集学的アプローチが望まれる。
「はじめに」近年,統合失調症の治療のゴールとしてリカバリー(回復)の重要性が強調されるようになった。研究グループによってリカバリーの定義は少しずつ異なるが,最もよく用いられるLibermanらの定義1)によると,リカバリーは,①症状の寛解(Brief Psychiatric Rating Scaleによるすべての陽性症状,陰性症状の得点が4点以下)のみならず,心理社会的な機能として,②就労ないし就学(半日程度以上),③自立した生活(金銭面,治療面においても),④社会的人間関係の構築(週1回以上の友人との付き合い)のすべてを2年以上持続すること,とされている。
「Key Word」統合失調症,リカバリー,維持期,再発,薬物治療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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