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Psychiatric Lecture

(成因・危険因子)統合失調症の周産期リスク

佐々木司

精神科臨床 Legato Vol.2 No.3, 18-22, 2016

「1 統合失調症発症のメカニズム」
―統合失調症の病態・病因解明に向けて多くの研究成果が集積しています。発症メカニズムとしてどのようなことがわかっているか,教えてください。
統合失調症は人口の約1%が発症し,大部分が人生の早期である思春期に発症する精神疾患です。特徴的な症状として,幻覚や妄想に代表される陽性症状と,思考障害,意欲減退,感情平板化といった陰性症状が認められ,慢性的な経過のなかで社会的機能低下を伴うケースも少なくありません。そして,統合失調症の発症には他の多くの精神疾患と同様に,遺伝要因と環境要因が複雑に相互作用していると考えられています。遺伝要因について述べると,一卵性双生児の一方が発症した場合のもう一方の発症率,両親のいずれもが統合失調症であった場合の子どもの発症率は,いずれも5割弱と非常に高率であることが知られています1)。第一度親族についてみても,発端者の子ども,兄弟の発症率は1割前後であり1),一般人口と比較して高い発症率であることがわかります。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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